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【仏教の比喩話、物語などを語る】

1 :天之御名無主:03/08/17 14:17
 仏教には面白くてドラマティックでありながら、知名度が低い物語が
たくさんありますね。そんな物語を埋もれたままにしておくのは勿体無い。
 そこで、このスレを立てました。
 みなさんの知っている仏教の比喩話、弟子や菩薩などの物語、仏教説話
などを紹介してください。
 そして、その話について学問的に語り合ったりしましょう。

※レスは【sage】でマターリと。
※荒らしや煽りなどは放置。完全無視。反応した人も荒らしです。

2 :天之御名無主:03/08/17 14:34
↓山野野衾

3 :天之御名無主:03/08/17 14:48
│    _、_
│  ヽ( ,_ノ`)ノ 残念 私のおいなりさんだ
│ へノ   /
└→ ω ノ
      >  

4 :天之御名無主:03/08/17 14:52
くっそう。

5 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

6 :関連スレ:03/08/17 15:25
仏教初心者!
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/min/1035986715/l50

密教について、なんでもいいから語るスレ
http://academy2.2ch.net/test/read.cgi/min/1007793964/l50


※レスは【sage】でマターリと。
※荒らしや煽りなどは放置。完全無視。>>1に反応した人も荒らしです。

7 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/08/17 15:59
『悲花経』にラゴラが六年間胎内にあって生まれたのを大臣に「釈迦の
子ではないのではないか」と疑われたヤショダラが子を火の中で産んで
証明するという話がありました(火の中に投げ込むんだったかな)。
貴族の子弟の教育に使用された『注好選』にも類話があります。

8 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/08/17 16:07
今は昔。釈迦の従弟阿難は美しい妻に執着してなかなか出家しようと
しなかった。そこである日、釈迦は神通力で彼を雪山に連れて行った。
そこには片目のつぶれた一匹の雌猿が居た。
釈迦「阿難よ。この猿とお前の妻とどちらが美しいか。」
阿難「仏陀よ、このような醜き猿と私の美しき妻がなんで比べられましょうや。」
次に釈迦は天界へ連れて行った。そこには七宝を散りばめた宮殿があり、
磨き上げられた床には表現出来ぬほど美しい天女が座って琵琶を弾いていた。
釈迦「阿難よ。この天女とお前の妻とどちらが美しいか。」
阿難「仏陀よ。このような美しき天女に比べれば、我妻など雪山の猿のよ
うなもので御座います。」
釈迦「天女よ、お前はここで誰を待っているのか。」
天女「阿難という方が仏門に入られた後天界へ来られた時にお迎えする
為で御座います。」
それを聞き、阿難はすぐさま仏門に入ったのであった。

9 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/08/17 16:11
ところがこの話には続きがある。後に仏門に入って神通力を獲得した
阿難が地獄へ行ってみると、獄卒たちがなにやら忙しそうに大鍋を用
意しているのが見えた。
阿難「獄卒よ、お前はここで誰を待っているのか。」
獄卒「天界で数万年の間快楽を貪られた後、落ちて来られる阿難尊者
の為、ほれこの通り大鍋を用意致しております。」
それを聞いた阿難を震え上がり、修行に打ち込んで女への執着を断った。

なお日本の説話集では『宝物集』に前半のみが、『古今著聞集』に完全
版が収められています。

10 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/08/17 16:17
釈迦の時代、長爪という者が居た。全ての学派の者達を議論で打ち負か
すまで爪を切らぬと誓ったのでそう呼ばれていた。
ところがそんな彼の甥が仏陀とかいう男に弟子入りしたという。彼はた
まらず相手のところに行き、論破してやろうとした。
長爪「仏陀よ、私はあらゆる教説を信じません。」
仏陀「長爪よ、あなたは『あらゆる教説を信じない』という教説を何故
信じられるのか。」
彼はこれに答えられなかった。そうだ、と言ってもそうではない、と言
っても己は負けてしまう。その日彼は仏陀の新しい弟子となった。

11 :天之御名無主:03/08/17 16:28
>>8->>9
 漏れが聞いたのはアーナンダ(阿難)じゃなくて、ナンダだったけど。
 いろんな説があるんだろうか?

12 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/08/17 16:36
>>11
平康頼(仮)らが間違えましたかね。でも参考にしたのは一冊ではあ
りませんし。それとも私の記憶違いか?

13 :11:03/08/17 16:47
 とりあえずぐぐって調べてみますた。
 ttp://www.d1.dion.ne.jp/~yasutomi/seinituite3.htm
 しかしこれだけじゃ分からないな。

14 :11:03/08/17 17:04
 とりあえず漏れもメジャーな鬼子母神の話をしよう。

 ハーリティー(鬼子母神)は夜叉の子として生まれた。美しい子だったそうな。
 やがて、親同士でとりきめた婚約相手と結婚する。それがパーンチカだ。
 ハーリティーもパーンチカも、元々は人間を襲わない種族の夜叉。しかし二人の
間に1000人の子供ができてから、ハーリティーは変わった。
 1000人の子供を十分に食べさせるため、人間の子供をさらうようになったのだ。
そして、さらった子を自分の子供に食べさせていたのだ。
 ある日、ハーリティーに子供を奪われた人がお釈迦様にそのことを話した。釈迦
は、ハーリティーに会いに出かけた。その途中、ハーリティーが特に可愛がってい
る末子が歩いているのを見、その子を隠してしまった。


15 :つづき:03/08/17 17:18
 さて、いつものように人間の子供をさらって帰ってきたハーリティが末子を呼んだ
が、出てこない。探しても末子は見つからない。人里におりて狂ったように探しても
見つからない。そこで、尊い方が来ているというのを聞いて釈迦に子供の居場所を
たずねた。
釈迦「1000人の子供のうち1人がいなくなっただけでも、お前は悲しんだ。ましてや
1人や2人しかいない可愛い子をさらわれ親の胸中はどうだろうか」
 それを聞いたハーリティーは自分の過ちに気づき、罪滅ぼしに子供を護ると釈迦に
誓い、末子を返してもらうことができた。
ハー「しかし、子供たちは人の肉の味を覚えてしまったのです。どうしたらいいの
でしょうか」
 釈迦はそこでザクロを取り出した。
釈迦「人肉が欲しくなったら、このザクロの実を食べさせるが良い」
 こうして、ハーリティーは子供をさらって肉を食べるのをやめ、子供を護るよう
になったのだ。……うろ覚えスマソ

16 :1:03/08/17 21:01
書き込みありがとうございます。
私も近々、蓮華色比丘尼の生い立ちとか、アングリーマーラーの話とかを
書き込んでみたいと思ってます。


17 :1:03/08/17 23:33
蓮華色比丘尼の波乱万丈な人生話をします。

蓮華色比丘尼は赤ん坊の頃から美しいとして評判であり、「将来は息子の花嫁に。
いや、むしろ俺の花嫁になってくれ」と色んなところから声をかけられ、両親は
困っていました。そこで「この子はどこへもやりません。出家させますから」と言
って追い払っていました。
やがて年頃の娘になった蓮華色比丘尼は一人の男と結婚して、男の子を授かりま
す。しかしある日、(ここらへんのことは忘れましたが)盗賊団にさらわれてしま
い、ムリヤリ首領と結婚させられます。そして一人の娘を産みました。が、首領と
ケンカしたときについカッとなって、まだ赤ん坊の娘を床に叩きつけてしまいまし
た。それを見て恐ろしくなった蓮華色比丘尼はそのまま逃げ出してしまいました。
逃げ出して、行くあても無いまま、気がついたら彼女は遊女に身を落としていまし
た。そうして何年か過ぎたある日、金持ちの長者が蓮華色比丘尼を一目で気に入り、
彼女と結婚しました。

18 :1:03/08/17 23:47
つづきです。

こうして若い長者と幸せな日々を送っていたある日、長者は第二夫人を迎えること
になりました。蓮華色比丘尼が若い第二夫人に会うと、不思議な事に嫉妬心などで
はなくて、深い慈しみの心が湧きあがりました。以来、彼女は実の妹か娘のように
その第二夫人を可愛がるようになったのです。

ところが、彼女が第二夫人の髪をすいてやっているとき、その第二夫人の頭に大き
な傷があることに気がつきました。気になったので何気なく聞くと、「赤ん坊の頃、
母親が抱いていた私を地面に叩きつけたんです。それで私が死んだと思って恐ろし
くなったのでしょう、私を置いて逃げました」
それを聞いた蓮華色比丘尼は、この第二夫人が自分の娘であることを知り、恐ろし
くなりました。
さらに、(どうやって知ったのか分かりませんが)夫が自分の実の息子であると知
り、どうしようも無くなり、その家を出ました。そして再び遊女になったのです。

19 :1:03/08/17 23:58
さらに続きです。

遊女として暮らしている彼女の元に、釈尊の一行が来ました。そこで釈尊の説法を
聞き、彼女は比丘尼として出家することになりました。

比丘尼として修行するうちに自分の迷いからぬけ出すことができ、比丘尼の中では
神通力第一と呼ばれるようになりました。
釈尊が天上の母を教化するためにいったん涅槃に入り、そして戻ってきたとき、
その神通力でまっ先に釈尊を迎えたのも彼女でした。

こうして修行を積んでいたとき、蓮華色比丘尼は誤解が元でダイバダッタに殺され
てしまいます。

波乱に満ちた蓮華色比丘尼の生涯がそこで終わったのです。
悲惨だなあ。

20 :天之御名無主:03/08/19 00:40
 昔、パンダカという者がいた。
 パンダカは皆に馬鹿だ馬鹿だと言われていた。
 それを見ていたお釈迦様、一本のホウキを取り出し、パンダカに与えて言った。
「このホウキで掃除をしなさい」
 パンダカは言われたとおり、精舎の周りを毎日掃除した。
 それを見て周りの者は、
「お、パンダカの馬鹿が掃除ばかりしてるぞ」
 と言って馬鹿にした。
 そうして何ヶ月か経った後、お釈迦様の弟子の一人が、パンダカが何かブツブツ言っているのに気がついた。
 聞くと、
「心のアカを払い落とそう」
 と言っている。
 馬鹿だと思っていたパンダカがお釈迦様の説法のうちで重要な部分に気がついている。
 その弟子はパンダカのつぶやきをお釈迦様に報告した。
 お釈迦様は、
「そうだ、パンダカは愚かであると言われているが、ちゃんと私の説法を理解しているのだ。
 これからはパンダカのことを馬鹿にせず、立派な仏弟子として迎えよ」
 それ以来、パンダカは正式にお釈迦様の弟子となり、修行に励んだとさ。

 宗教板っぽいな。

21 :天之御名無主:03/08/21 18:33
手塚治虫の「ブッダ」にパンダカってのが出てたよな。
ダイバダッタの父親だった。

22 :天之御名無主:03/08/22 23:06
これは法華経に載っていた話。

昔、医者がいた。
その医者には多くの息子がいた。
ある日、息子たちはあやまって父親が隠していた毒薬を飲んでしまった。
それを知った医者は、よく効いて、苦くない薬をつくって子供に飲ませようとした。
何人かの子供はそれを飲んで助かったが、しかし多くの子供は
苦いから、
と言って薬を飲もうとしなかった。
このままでは子供は死んでしまう。そこで、医者はある計画を立てた。
子供たちに、自分は旅に出ると告げ、本当に出て行ったのだ。
それを知った子供は悲しんだが、まだ薬を飲もうとはしなかった。
それから数日がたち、従者が家に駆けつけてきて、
医者は旅の途中で死んだ
と告げた。
子供は驚き、悲しんだ。そして、父親の残した薬を飲もうと決意した。
いざ飲んでみると、苦くも無く、それにすぐに効いた。
それなら早く飲んでおけばよかったと後悔する子供たち。
そこへ、死んだと思っていた父親が帰ってきた。
父親は子供たちに薬を飲ませる方便として旅に出てその先で死んだと、
伝えさせたのである。

23 :天之御名無主:03/08/22 23:13
上の話はブッダが弟子に自分は涅槃に入ると言い、
弟子がなぜかと尋ねたときにブッダが聞かせた話だ。

この話に出てくる医者がブッダ、子供が衆生、薬が法華経だ。
ブッダは、「今から涅槃に入るけど、それは皆を教えに導く方便であって、
本当はいつも皆のそばにおるんやで」と言いたかったのだ。

24 :真言:03/08/25 21:55
この手の話を聞くたびに思う。
「なんで俺はお釈迦さんと同世代に生まれなかったんだろう」って。
生でこれだけ気の利いた説教を出来る人ならそりゃ伝説にもなるさ。

……そう言えば釈迦は衆生より一足先に入滅したはずなのになんで
「いつでもそこにいる」的な神格化された話が多いんだろう?

25 :求道心:03/08/31 15:43
長阿含経だったか忘れたが、鼠金鋪主の話は面白い。
詳しくは南方熊楠「猫一匹の力に因りて大富となりし人の話」を読んでくれ。
仏教説話は面白い。 ageておく。少なくともキリスト教の話よりはよっぽど
為になる。

26 :天之御名無主:03/09/02 20:58
>>24
そうだな、いい説法が出来て人徳もあれば神格化されやすい罠。

>>25
さっそく図書館行ってその本探してみる。
漏れもキリスト教の話より仏教説話の方が好きだ。

27 :1:03/09/08 12:54
面白い話、ありがとうございます。
>>25さん
>>26さん
そうですね、仏教説話は面白い。キリスト教の話とか他の神話に負けないくらい。
だから、このスレを立ててみたのです。

28 :求道心:03/09/15 13:52
あと、艶話も多いな。恵美押勝の娘ではないが、五00人に犯される話や
オナニーをしていた尼のチョメチョメに蛇が入っていったり。

>>20
このスレには関係ないが一つの事に専心しほめられた実話として、
二宮尊徳の逸話を一席。

確か桜町仕法の時だったと思うが、ある老人がいた。力もなく、皆に愚か者と
バカにされていた。
その老人は、いつも木の古株を掘り起こし、取り除くことを行っていた。
皆は、「何の役に立つ」とさらにバカにした。
二宮尊徳はモチベーションを向上させるため、報奨金制度をつくり、働きの
良かった者に幾許かの金を与えていた。
今回こそ自分がもらうと皆頑張ったが、いざ発表されると、ノーマークの
その老人が働き一番とされた。
皆不服で、なぜだと二宮尊徳に問うと、皆の大して役に立たないなら、邪魔に
なる古株を取り除くことに努めようと、間断なく、行ったおかげで、耕地も増えた。
この老人の働きのおかげであると答えた。皆も納得し、その老人の勤勉さにまけぬよう、
さらに精進したとのこと。


29 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/09/15 23:28
例の雪山話でしたが、難陀の間違いであったようで・・・失礼致しました。
では『千一夜物語』の出だしのような説話を。
昔、ある大臣が仕事を早く済ませて屋敷に戻ってみると、妻が間男と密会し
ているのを目撃してしまった。帰るに帰れず、その夜はそのまま王宮に居る
事にした大臣。
ところが窓の外を眺めていると、王女がふしだらにも馬下児(馬番)と密会
しているのではないか!
これを見て問題は妻個人ではなく女自体にあったのだという事に気付いた大
臣は出家。その後高僧となったそうな。(女性は怒らないように・・・。)

30 :天之御名無主:03/09/22 00:11
>>28
イイ(・∀・)話だ・・・

31 :天之御名無主:03/09/24 18:47
昔、バラモンの貧しい家にアヒンサカという若者がいた。
彼は立派なバラモンになるべく、師匠の元で一生懸命修行した。
そんなアヒンサカを、師匠は可愛がり、自分の亡き後は彼に後を継がせようとした。

ところがある日……。

師匠の若い妻が、アヒンサカの美貌と若さに惹かれ、夫の留守中に彼を誘惑した。
当然、アヒンサカはこれを拒んだ。
すると、師の妻は恥をかかされたと思い、彼を貶めるべく策を練った。
夫が帰ってくると、さっそく今にも首を吊って死のうとしているというのを演じ、
止める夫に泣きながら「アヒンサカが私を襲った」と嘘をついた。

信じていた愛弟子に裏切られ、怒った師は、アヒンサカを呼び出して言った。
「お前に教えることはもう何も無い。ただ、お前は前世に犯したことが原因で
まだバラモンになることができないでいる。これから修行を与えよう」
そうして、アヒンサカに、千人の人の命を奪えと命令した。
師匠の言いつけとは言え、人殺しはできない。しかし、師匠は「お前が殺すことで
その人々は救われ、天界で生まれ変わることができる」と説き、さらに、
「きちんと殺したかどうかが分かるように、殺した者の指を切って首飾りを作り、
千人の指が集まった時には私に見せなさい」
と言ってアヒンサカを外に出した。

32 :天之御名無主:03/09/24 18:47
アヒンサカは師の言いつけ通り、人を殺して、殺した者の指を切り、首飾りにして
いった。
その噂はあちらこちらに広まり、やがてアヒンサカはアングリーマーラー(指の首飾り)
と呼ばれるようになった。
アングリーマーラーが999人を殺し、あと一人で修行が終わり、バラモンになれる
という時、一人の老婆が彼の前を通りかかった。
老婆を襲おうと、その顔を見て彼は驚いた。その老婆とは、彼の母親だったのだ。
戸惑っているアングリーマーラーの側を、今度は一人の僧が通りかかった。
母親を殺すよりは、あの僧を殺そう。そう思い、彼は僧を追いかけた。
しかし、どんなに走っても、歩いている僧に追いつかない。
彼は僧に、止まれ、と叫んだ。
すると、その僧は「止まるのはお前の方だ」と言い、次のように説教をした。

私の心は平静であり、止まっている。しかし、お前の心は乱れており、
止まることを知らない。

その僧とは、釈迦であった。アングリーマーラーはその説法に心を打たれ、
心を入れ替えて弟子となった。

33 :求道心:03/10/04 18:31
仏教説話の宝庫 南方熊楠「十二支考」より感心した話
寅について

中阿含経からの引用

猪王が部下をつれ、険難な道を進む内に、虎に出会った。
虎と戦えば必死、戦わなければ部下に笑われる。どうしようと
思案にくれたが、心を決め、戦うなら戦え、いやなら道を避けろと
虎へ通告するも、当然虎は譲らず、戦おうと回答。

猪王は戦わざるを得なくなったが、虎に祖父の鎧を着てから戦うので
しばらく待てといい、便所に転がりこみ、クソを塗りたくって虎の前に
出た。

虎は大いに閉口し、自分は小虫を食べないのは牙を惜しむからであって、
こんなに臭い猪に近付きたく無いと思い、戦うのはやめておくので、
道を譲ってやるといい、道を譲った。





34 :求道心:03/10/04 18:58
つづき

猪王は虎の横を通り過ぎて後に、同じ四足同士戦おうじゃないかと嘲るも
虎はいわく、あんたはもっとも下品極まる動物。臭くてたえられないので
さっさといけと促すも、猪王はさらに図に乗って罵る。

虎はにおいが自分に移るのをいやがり、猪に勝利を与えたとのこと。

何を感心したかと言うと
1)猪の習性について記載されている。インド人の動物に対する観察力を
褒めたい。
2)よけいな争いごとを避ける。
  一休さんは、地獄とは人間の心にあらわれるもの。争いがあるのは
人の心に地獄があらわれたためと説いた。

一応仏教徒になるので寛容の心は持っていたいものやな。
ただ普通仏教説話なら偈を説いていわく虎は何々猪を何々と譬えるが
残念ながら、ココまでしか書いていなかった。


35 :天之御名無主:03/10/08 08:15
ジャータカ全集を文庫で出せや!!
あと大智度論の全訳も出しやがれ!!
国訳大蔵経高いし文章古いんだYO!!

36 :天之御名無主:03/10/18 15:31
大蔵経といえば宇治の鉄眼和尚

37 :天之御名無主:03/10/18 18:31
誰かジャータカ物語を紹介してー!

38 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/10/18 19:35
>37
『三宝絵』上巻に色々と。編集者源為憲の補入記事もあって面白い。
ただ話が長いので躊躇してしまいます。不覚にも涙したのは施無の話。

39 :とてた ◆0Ot7ihccMU :03/10/18 21:10
>>20
チューラパンダカの話ですね。
僕の聞いたのと少し違ってますけど(元々お釈迦様の弟子で、お掃除で「悟り」を開きました)。
>>24
「如来常住」の方が安楽に暮らせますから…。

40 :天之御名無主:03/10/26 00:35
ここであげられてる物語がAAになったらいいな。


41 :求道心:03/11/02 15:50
摩訶僧祇律やったと思う。
ある貧しい在家バラモンがいた。妻との間に子供はなく、一匹のマングースを
飼い、わが子同然に可愛がっていた。
しばらくして、待望の子供が生まれ、非常に可愛がった。
ある日、バラモンは乞食(こつじき)に行き、妻は子供を家において、外で
洗濯物を干していた。
家でマングースが子供の番をしていると、そこに大蛇があらわれ、子供を
食べようとしたので、我が弟の大事とマングースがその蛇を食い殺した。
そのとき、バラモンが帰ると、マングースが口に血をつけて、自分に愛嬌
をふるまうではないか。バラモンは子供がマングースに食われたと勘違いし、
すぐにマングースを殺してしまった。しかし、よくよく見ると、大蛇が死んで
いる横で子供がきゃきゃ喜んでいるではないか。
早まったことをしたと後悔したバラモンは妻子を捨て、出家したとさ。



42 :天之御名無主:03/11/08 00:51
弥勒菩薩の話などを。

ある国の大臣に一人の男の子が生まれた。とても美しい子であり、
喜んだ大臣は占い師を呼んで名前をつけさせようとした。
占い師は「この子の母親が身ごもってから、何か起こりましたか?」
と大臣に聞いた。大臣は、「そういえば家内がこの子を身ごもってからというもの、
元々あまり優しいというわけでもなかった家内が、人々を慈しみ、助けるように
なった」と答えた。
占い師はそれを聞いて喜び、「それはこの赤ん坊の力によるものなのです。
人々に慈悲の心をもたらす力を持っており、将来、多くの人を救う人になるでしょう。
弥勒(マイトレーヤー=慈悲)と名づけるとよろしい」

その赤ん坊、弥勒の名前は国中に広まった。それを聞いたその国の王は、
将来、弥勒が自分の地位を奪って王になるのではないかと怖れ、早いうちに
殺してしまおうと思った。
王の考えを読み取った大臣は、我が子を護るため、遠くにいる弥勒のおじに当たる
バラモンの元にやり、王には、弥勒は生まれてすぐに死んだと言った・・・。

何かの神話か伝説か伝記かで、似たような話があったと思うんですけど・・・
王が子供を殺そうとする、っていうあたり。
何でしたっけ?

43 :天之御名無主:03/11/08 01:29
オイディプス

44 :天之御名無主:03/11/08 12:21
阿蛇背じゃないの?
(字が出ない)

45 :シルブプレ:03/11/08 18:43
>>44
アジャセは違うと思うよ。アジャセは王子だし。
王であり父であるシッダールタ(ブッダ)は確かにアジャセが生まれて
ヘコんでたけど、それは我が子が可愛いから出家の妨げになると
思ったのであって。

46 :太国玉:03/11/08 20:42
>42 元始会の帰り? 東来の佛祖様

47 :天之御名無主:03/11/08 20:51
>>42
有名どころで『聖書』のヘロデ王。子供はイエスね。

48 :天之御名無主:03/11/08 21:01
>>47
『旧約聖書』のファラオとモーゼもかな。

49 :山野野衾 ◆F6mxNHihgE :03/11/08 22:29
ギリシャ神話にも結構ありますね。オイディプスとかペルセウスとか。
そもそもゼウスの兄や姉たちが飲み込まれた話からしてそうだ。

50 :天之御名無主:03/11/11 15:52
アジャセって・・・(´д`)

51 :天之御名無主:03/11/12 17:20
>>42
クリシュナの生誕と似てるな…

52 :44:03/11/13 23:07
>>45
シッダールタ(ブッダ)の子供はラーフラ。

あじゃせの父は浄飯王。

すいません。ねます。

53 :山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :03/11/13 23:22
阿闍世に浄飯王、で良かったのでしょうか。
ttp://www002.upp.so-net.ne.jp/freud/f14.html

54 :シルブプレ:03/11/16 00:47
>>52
本当だしまったー!
ついラーフラと間違ったごめん。逝ってきます。
アジャセはダイバダッタにハメられた方だった。

55 :44:03/11/16 04:27
>>53
うわぁ。
ぜんぜん血縁関係にないですね。

×あじゃせの父は浄飯王。
○シッダールタ(ブッダ)の父は浄飯王。


これから寝て朝寝坊します。

56 :求道心:03/11/29 20:02
神田の古本屋で南方熊楠・土宜法竜往復書簡集をやっとげっと。(八坂書房版)
卒業証明をもらうついでに、大学の図書館でちらっと読んで以来
ずっと探していて・・・ついに手に入った。
イブン・バットゥータを読了次第、読み始めてネタを仕入れます。

57 :天之御名無主:03/11/30 08:12
妻子をすてて出家した・・・
なんか、嫁さんを大事にしていたらいけないような物言いが多いような。
妻子はどうなったんだろ。ちゃんと生活費を送金していたのかね。
本当に多くの人を救えたのか? 他人にも妻子を捨てて出家するのを
勧めてたりして・・・

今の基準で考えてはいけない?

58 :とてた ◆0Ot7ihccMU :03/11/30 22:18
>>57
あの、お釈迦様の奥さんと子供は生活の心配は無かったんですが…。

59 :山野野衾 ◆UJr4Al4ZYM :03/11/30 23:50
大体あの時代に生活費の送金があるものですか。ネタでしょうが。

60 :天之御名無主:04/04/27 20:56
当時のインド人は内省的哲学的で
妻子を残して出家する事は、
社会的にも別段問題なかったはずだけど?
むしろ妻子も出家をバックアップする場合が多かったときいたが。
もっとすごいと、一家総出で出家な。
大乗仏教になると、城の王様が弟に位を譲って出家するとかってなると、
兵卒や重臣や後宮の女性までもが出家在家で信者になるってシーンが描かれる。
とりあえず、今の尺度で物を言ってはいかん

61 :求道心:04/07/30 12:11
ある仏教徒の武士が、説法を聞きにでかけた、その留守に妻の母が訪問。食事後眠いので眠気覚ましに夫との生活をたずねたところ、妻はもちろん仲良く暮らしており、どんな隠遁者より、自分の夫ほどの有徳者はいないと話したところ、母はかなりの聾で大きく勘違い。

62 :求道心:04/07/30 12:14
(続き)
「隠遁者」という言葉だけ耳に入り、それは大変だと大騒ぎ。家内の者も騒ぎ、近所の人もその騒ぎを聞きつけ大騒ぎ。さて、その武士が説法を聞いて、帰途の途中知人に会い、あなたは隠遁者になったようで家中泣いているぞと話す。

63 :求道心:04/07/30 12:16
(続き)
その武士は隠遁の事実なきに、皆隠遁したと騒ぐ。その吉報を聞き過ごすべきでないと一大決心し、再度仏に謁して、受戒隠遁し、程なく証果したとさ。

→南方熊楠「自分を観音と信じた人」より簡約

64 :http://dempa.2ch.net/prj/page/ura2ch/:04/07/30 12:32
ura2ch ura2ch 

65 :天之御名無主:04/08/05 22:23
寒山と拾得の話しが好きです。
浮浪者の寒山と寺の下男の拾得が寺でふざけてはしゃいでると、修行僧たちが怒る。
すると二人は、その僧の迷いとなっているポイントをさらっと指摘し、笑いながら逃げていく。
実はこの二人、文殊菩薩と普賢菩薩の化身だという。
なんか座敷わらしみたいで可愛い。
実在の寒山と拾得は汚いじいさんだったんだろうけど。

66 :求道心:04/09/23 21:26:23
先日東洋文庫版今昔物語集9巻(震旦部)を手に入れたので、読んでいると、「不空三蔵、仁王呪を誦えて、験を現わす語」という話があった。

唐の玄宗のとき、安西城が西域のオアシス国家連合軍に攻められた。玄宗は不空三蔵を呼んで毘沙門天に救いを求めさせた。不空が仁王護国経を唱えたところ、毘沙門天の次男が多数の兵を連れて現れた。

67 :求道心:04/09/23 21:28:42
玄宗が不思議に思っていると、不空いわく、求めに応じやってきたので、食事を振舞ってくださいといった。そんなことがあった後、安西城から「毘沙門天が現れ、金色のねずみが敵の弓の弦を噛み切り、他の武器も使えなくして敵は退散」との報告があった。


68 :求道心:04/09/23 21:34:46
これって、まるで大唐西域伝にでてくる瞿薩旦那国(于てん<門構えに眞>・ホータン>の国王が毘沙門天の後胤を称するに至った経緯とほぼ同じやんけ〜。
(ホータンでは金色のねずみを祭ると、ねずみの大群が匈奴の弓の弦を食いちぎって役立たせなくなり、匈奴は撤退)

あまりこのスレに関係ないけれど、まさかそんな話が出ているとは思わなかったので、思わず書き込んでしまった。たいした内容ではなくてごめんね。

69 :天之御名無主:04/09/25 01:09:28
良スレの予感。。。


70 :天之御名無主:04/11/03 02:45:50
阿修羅は帝釈天と戦い続けることで有名だが、その争いの原因となったお話。
「よくわかる仏教の知識百科」監修ひろさちやより、以下本文抜粋。

阿修羅には目の中に入れても痛くないほど可愛い舎脂という美しい娘が居た。
この舎脂に帝釈天が一目惚れして、阿修羅に縁談を申し入れたのである。
初め阿修羅王は、これを名誉と思い、ことのほか喜んだ。
ろころが帝釈天なる神はよくいえば豪放磊落、悪くいえば直情径行タイプで、神さまにしては少しばかり素行が悪い。
ある日、偶然に路上で舎脂の姿を見かけると、矢もたてもままならず、強引に自分の宮殿に連れて帰り、陵辱してしまったのである。
そうとは知らぬ阿修羅は、娘が行方不明になり心配でたまらなかったが、ことの成り行きを事後に知り、激怒した。
もともとが正義の神である。
いかに相手が帝釈天といえども、彼の行為は絶対に許すことができない―そう思ったのである。
こうして、阿修羅は武器を手に取り、帝釈天に戦いを挑むことになる。


…何だかなあ。

71 :天之御名無主:2005/11/15(火) 14:30:18
恐怖の人食い大観音。
それは、天保の飢饉に喘ぐ貧村に突如として現れた。
カラーン!カラーン!乾いた鐘の音と共に、
身の丈、三十丈はあろうか、ゆっくりと歩む青銅の観音。
おお!有り難い事じゃ!観音様が現れなさった!
おおーい!村の者、広場に出るのじゃあ!
ざわざわ・・、おお、観音様じゃ!観音様がこっちにいらしゃるぞ!どうかわしらを救って下され!
手に印を結び、どこか狂おしい笑みをたたえた大観音が、ゆっくりと地面を滑るように村人に接近する。
カラーン!カラーン!とうとう、村人の所までやってきた。
ありがたや、南無〜。地にひれ伏す村人達。
ぎぎぎっ、観音は身をかがめると、フフゥ〜とやさしく村人達に息を吹きかけた。
グエ、グフッ!たちまち強烈な腐臭と死臭があたりにたちこめる。
動転する村人、その瞬間、観音の巨大な手が目にも止まらぬ速さで、村人を掴む!
ブチッ!ブチッ!ギャッ、ギャーッ!次々と手にかかりその狂った笑みをたたえた口で、思い切り貪り食う。
あたりは、血と飛び散った臓器の海、悲鳴と絶叫がこだました。
とうとう一人残さず食べ尽くすと、鐘の音と共に観音はいず方へと去って行った。

72 :天之御名無主:2005/11/15(火) 20:07:53
究極の大秘法「太元帥法」を伝えようと邁進した名僧、霊仙三蔵。

唐の皇帝から、「三蔵」の称号を賜り、内倶奉十禅師という直属の祈祷僧にまで命じられるほどの寵愛を受けながら
<治国の宝、勝敵の要>といわれた国家鎮護の大修法「太元帥法」を唐から持ち帰るためまさに凄まじい執念を見せた。

手の甲を剃刀で引き裂き、長さ12センチ、幅9センチに剥ぎ取った手の皮を丁寧になめし
そこに丹念をこめ、太元帥明王の尊像を描き金銅塔に収め、仏前に安置した。
822年、中国三大霊山、五台山の密教道場金閣寺での驚愕エピソード。

だが彼の執念は叶うことなく霊仙三蔵は異国の地で果ててしまう。
皇帝からの寵愛の深さを感じながらも

「私の求法の志は、本国を思うがためのもの、いま、多くの努力によって
 仏像・聖教はみな日本に伝えられている。今だ伝えられていないのはこの太元帥法のみだ。
 私は是非ともこの法を伝えたいのに、大国・唐は私を留めて放そうとしない。
 私の志はここに虚しく朽ち果ててしまうのだろうか。」

「霊仙太師は毒薬をこうむり、毒に当たりて死す。弟子たち埋葬すれども
 今だいずれの処なるかを知らず」

霊仙三蔵に遅れること20年、五台山の密教を求めた慈覚大師円仁は有名な旅行記
「入唐求法巡礼行記」に書いている。
霊仙三蔵は太元帥法に思いを寄せるがあまり毒殺されてしまったのだ。

彼の無念は、円仁と同じ年に遣唐使として入唐した常暁によって晴らされることになる。
常暁はその2年後に太元帥法を日本に伝えたからだ。




73 :天之御名無主:2005/11/22(火) 15:40:26
男色を扱った仏教説話を教えて下さい。

よろしく。



74 :求道心:2005/11/22(火) 22:58:56
>>73
男色とは違うが、自分でフェラチオをした話
          〜南方熊楠・岩田準一往復書簡より抜粋
(簡単に意訳)
仏、舎衛城にあった時、一人の比丘がいた。その人は南方出身の軽業師にて、体が柔らかかった。非常に情欲深く、自分で口にちんぽを含み、オナニーをしたとのこと。

ご希望の話は、色々探したが、ちょっと見当たらない。説話ではなく、実話なら色々見つかったが・・・

75 :天之御名無主:2005/11/23(水) 19:11:14
>>74
なれば実話のほうをお聞かせ戴きとう御座居ます。
多少スレ違いにはなれど、後学のために是非とも宜しく御願い致します。


76 :天之御名無主:2005/11/23(水) 20:05:50
別スレに誘導すれば?

77 :あの〜:2005/11/25(金) 23:27:54
仏教説話や神仏の霊験譚、寺院縁起に興味がある者です。
京都市に住んでいます。
大学で国文学を専攻したわけでもないのですが、
最近になって趣味で仏教説話などを読むようになりました。
今まで図書館で本を借りたりして、一人で勉強していましたが、
京都でこういった勉強会があれば、参加したいと思っています。
もしも、情報をお持ちの方がありましたら、教えてください。
あと、素人なので、古文書などはほとんど読めません。

78 :天之御名無主:2006/07/23(日) 17:01:17
宗門大学一覧
浄土宗・浄土真宗の浄土系大学
埼玉工業大・大正大・淑徳大・東海学園大・☆佛教大・京都文教大
武蔵野大・同朋大・龍谷大・京都女子大・大谷大・大阪大谷大・兵庫大
以前の宗門では東洋大も含んでいたが、今は手を切っている。
曹洞宗
東北福祉大・駒澤大・駒澤女子大・愛知学院大
真言宗
大正大・高野山大・種智院大
天台宗
大正大・京都精華大
宗門大学 僧侶養成校「同宗派に複数ある場合ランク順」
浄土真宗本願寺派・・龍谷・同朋・九州龍谷短大
浄土真宗大谷派・・大谷・大谷短大
浄土宗・・佛教・大正・西山短大
曹洞宗・・駒澤・東北福祉・愛知学院・鶴見
臨済宗・・花園
日蓮宗・・立正・身延山
真言宗・・大正・種智院・高野山
天台宗・・大正

宗門大学 非僧侶養成大学
浄土真宗本願寺派・・京都女子・京都女子短大・武蔵野・兵庫
浄土真宗大谷派・・京都光華女子・大阪大谷・各地の大谷短大
浄土宗・・京都文教・淑徳・東海学園・埼玉工業・華頂女子短大・淑徳短大
曹洞宗・・駒澤女子
日蓮宗・・文教
和宗・・四天王寺国際仏教



79 :求道心:2006/08/11(金) 21:12:48
>>75
河口慧海のチベット旅行記を読んでみ。同輩と小僧を争って、大怪我をした坊主の話などが載ってる。岩田準一と熊楠先生の往復書簡も参考になると思う。

月に兎がいる話(大唐西域記より簡約)
あるところに、サルと狐と兎がいました。毘沙門天が僧に化け、供物をお願いしました。
サルや狐は果物等をとってきましたが、兎は何ももってこれませんでした。兎は何ももってこれなかったので、自身を捧げるとして、火に飛び込み、焼身しました。
哀れに思った毘沙門天が、月に兎をおいてあげたとさ。

80 :天之御名無主:2006/10/13(金) 23:14:55
>>79
その話は毘沙門天じゃなくてヤリチン帝釈天じゃなかったか?

81 :天之御名無主:2006/10/28(土) 23:54:27
和泉の国の国分寺の法師、吉祥天女にえも言わず戯ぶる事

昔、和泉の国の国分寺に鐘撞き法師がいた。
毎日鐘を撞いているうちに吉祥天女像に恋をし、淫らな心を起こした。
抱いたり、抓んだり、キスの真似をしたりして過ごすようになる。
鐘撞堂に上がり吉祥天を弄んでるうちに、吉祥天が
「貴方が私に恋してこんな事をするのでジ−ンと来る。私は貴方の妻になりましょう。
指定の日時に播磨の印南野に来なさい。そこで会いましょう」
仰る夢を見て、目が覚めた。
嬉しくて嬉しくてたまらなくなった法師は早く指定の日が来て欲しく落ち着かなかった。
その日になって、印南野を急いで歩いているとこの上なく美しい女が、色々の色の衣を重ね着て現れた。
この方が吉祥天かと思ったが、近寄ることができない。
女は「よく来ました、先ず住む家を一軒作りなさい」と命じるが、法師は作り方を知らない。
と、男が一人現れ、何しに来たか尋ねる。
法師は「この辺に住もうとして来たが家もなく、縁故もないので困っている」と答える。
男は、任しておけと言って、仲間を集め、各々が桁一本を持ち寄り、
何もかも材料は降って湧くように集まり、間もなく家は完成し、調度品を置き、天女をお住まわせした。
天女は「私は、今は貴方の妻となった。妻となったからには他の女と交わってはいけません。
少しばかり好ましく思われる女が誘惑しても従うってもいけません」と仰る。

82 :天之御名無主:2006/10/28(土) 23:55:08
法師が「仰せの通り致します」と答えると、天女は感心する。
田を一段作ると、他の人の十町に相当した。万事足らぬ物は何一つなかった。
願い事は全て叶うので、隣村からも物乞いに来る。
こうして、その勢力が国中に及び、国守も法師を大事にした。
このように楽しく過ごしているうちに、
「加古川上流の粟生村の某氏の美しい娘を召して、足をマッサ−ジして凝りを治してもらったら」
と勧める者あり、法師は「好き心は湧いても犯さなければ良いだろう」と思い、勧めに従う。
天女は「何故、約束を破ったのですか、もう此処には居れない」と怒り、
白い物を入れた大きな桶を法師に与えて消えてしまった。
法師は悔い泣いたが甲斐なし。
桶の中の白い物は法師の精液を溜め置いた物であった。
さて、その後は以前程ではないが、それ程貧しくもなく、人の覚えもよく、聖となって生涯を終えたと、いうことである。



83 :天之御名無主:2006/10/29(日) 00:09:29
ある年の9月20日ごろ、鞍馬寺にお参りし、その帰途のことである。
一条の北の小路に差し掛かったとき、年のころ16、17歳ぐらいの美しい童と道連れになった。
童は僧に、「お坊様はどこへおいでになるのですか」と問うた。
僧が「雲林院という所に帰る途中です」と答えると、童は、「わたくしを連れて行ってください」と言う。
聞けば、長年、親しく仕えていた僧と仲違いをし、親にも死別して帰る所がないため、
ここ10日ほど、所定めずさまよっているのだという。
「自分をいとおしく思ってくれる人がいれば、その方といっしょにどこにでも行こうと思っている」とまで言った。
僧は、この童がとても美しかったため、すっかり心を奪われ、「連れて帰ろう」と決心し、雲林院に伴った。
隣の僧坊の僧たちが、この童をみて、その美しさに驚いて、みなでほめたたえる。
明くる日も暮れると、僧と童はすっかり親しく話をするようになったが、僧はふと怪しいことを感じたのか、童に尋ねた。
「わたしはこの世に生まれて以来、母の懐よりほかは、女の肌に触れたことがないのでくわしいことは分かりませんが、
あなたは普通の稚児たちとは違い、どうしたわけか、心がとろけるように感じられるのです。
ひょっとして、あなたは女でいらっしゃるのではありませんか。もしそうなら、ありのままにおっしゃってください。
もはや、このようにお世話申し上げることになりましたからには、片時もお離れすることはできそうには思えませんが、
それにしてもやはり不思議に思われるのです」。
童は、「女であったとしても、童と仲良くしているように振舞っておいでなさいまし」と言って、ほんとにおかしそうにしている。
僧は、これを聞いて「やはり女だったのだ」と思い、恐ろしくもあり、このうえなく悔やんだ。しかし、僧も凡夫であったので、ついに打ち解けてむつみ合う仲になってしまった。
しばらくして、童の体の具合がおかしくなり、物を食べなくなった。

84 :天之御名無主:2006/10/29(日) 00:11:16
僧がそれをいぶかしく思っていると、童が、「懐妊したようです。そのおつもりでいてください」と言った。
僧はこれを聞いて困惑し、「人にはこれまで童と言って過ごしてきましたのに、本当に弱ったことになりました。
それで、子を産むときはどのようにすればよいでしょう」と尋ねると、
童は「いつもどおりでいらっしゃってください。決してご面倒はお掛けしません。そして、ただ、静かにいらっしゃってください」と言う。
僧は気の毒にもいとおしくも思いながら過ごしていたが、いつしか月が満ちた。
童が、「お腹が痛くなりました。子供が生まれそうな気がします」と言ったので、僧は途方にくれて騒ぎ出した。
童は、「そのようにお騒ぎなさいますな。ただしかるべき壺屋の一つに、薄べりを敷いておいてください」と言うので、僧は言われるままに壺屋に薄べりを敷いた。
童はそこに行き、しばらくしているうちに、いつか子を産んだようである。
自分の着物を脱いで、赤子をその中に包み込んで寝かせるようにして、母はどこへ行くともなく消え失せていた。
僧は、ひどくいぶかしく思い、近くに寄って、そっと着物をとりのけて見た。
すると、赤子はおらず、大きな枕ほどの石があった。僧は恐ろしく気味悪く思ったものの、明るくして見てみると、その石に黄色い光がある。
よくよく見ると、それは黄金であった。僧は、それからというもの、童がいなくなったさびしさはたまらなかったものの、
「これもひとえに、鞍馬の毘沙門天が私を助けようとして、はかったことなのだ」と思い、
その黄金を少しずつ欠いて使っているうち、本当に万事、裕福な身の上になった。
そこで金のことを、もとは黄金(きがね)といっていたが、これ以後、子金(こがね)というようになったのであろうか。


85 :天之御名無主:2006/11/02(木) 06:30:15
 >>70
 阿修羅が天と戦う理由については、いつくか異なる話がありますね。
 国訳一切経のなかには(読んだのがはるか以前のため、出典忘却)次のような話がありました。
 阿修羅衆が大酒を飲み、酔いがさめて気づくと自分たちは本来住んでいた所とは違うところにいた。
 これは天が自分たちを騙して酒を飲ませて、こんな所に追い落としたのだ。もとの場所へ戻ろう。
 失地回復のため、阿修羅は天に戦いを挑んだ。
(この場合の「天」は「三十三天」の意味であったような。須弥山に住んでいる天衆)

 中阿含や雑阿含にたくさん話がありますが、これらを読むのにもっともよいのはたぶん『大正蔵』の一巻と二巻でしょう。
 ただし漢訳なので、漢文をすらすら読める人以外は少々たいへんかも。

86 :天之御名無主:2006/11/03(金) 01:17:01
>>85
それ天衆じゃなくて帝釈天だろう
阿修羅族ではなく阿修羅王がピンで須弥山から投げ落とされた話

ある日帝釈天が酒宴を開き阿修羅王を招いた
阿修羅王に酒を勧め酔い潰した隙に
帝釈天が阿修羅王を須弥山から大海の底にまで投げ落とした
落とされた先に天界にはない樹木があったので
ここが自分のいた天界じゃないと阿修羅王が気づき悔しがる話

87 :天之御名無主:2006/11/03(金) 07:48:36
 85です。
 なにぶん読んだのがかなり以前なので、うろ覚えで記しました。
 86さんの記述が正確だと思います。どうもすみません。

88 :天之御名無主:2006/11/04(土) 23:46:32
     ◆原文◆
佛説長者女菴提遮師子吼了義經
    失譯人名今附梁録
如是我聞。
一時佛住舍衛國祇樹給孤獨園。
與無量比丘比丘尼優婆塞優婆夷。
菩薩摩訶薩衆倶爾時去舍衛城西二十餘里。
有一村名曰長提。有一婆羅門。
名婆私膩迦。在其中住。
其人學問廣博。深信内典敬承佛教。
時婆羅門欲設大會。
至祇■(サンズイに亘)所請佛及僧。
佛則受其請。婆羅門還家。
又剋其時。佛與大衆往詣彼村。
至婆羅門舍。爾時長者。
見佛歡喜踊躍。不能自勝。
即率諸眷屬來至佛所。各各禮佛恭敬而住。
其婆羅門有一長女。名菴提遮。先嫡與人暫來還家。
侍省父母。其女容貌端正。其度高遠。用心柔下。
其懷豁然。能和夫妻。侍養親族。事夫如禁。
其儀無比。出於群類。父母眷屬皆出見佛。
唯有此女獨在室内。其女自以生來。父母莫測其所由。
故名之菴提遮。爾時如來。即知長者有一女。在室内未出。
知其不出所由。若其出者利益無量大衆。及諸天人。佛即告長者言。
汝之眷屬出來盡耶。其婆羅門。束手長跪佛前。以此女不出之状。
將之為恥。默然未答。佛則知其意。仍告之言。中時向至可設供耶。
時婆羅門。即承佛教起設供養。大衆及其長者。眷屬中食已訖。
唯有此女。未及得食。時如來■(缶に本)中故留殘食遣一化女將此餘食。

89 :天之御名無主:2006/11/04(土) 23:47:37
與彼室内女菴提遮。時化女人。
以偈告曰「此是如來餘 無上勝尊賜 我當承佛教 願仁清淨受」
其女菴提遮。即以偈歎曰「嗚呼大慈悲 知我在室已 今賜一味食 尋仰睹聖旨」
復以偈答彼化女曰「我常念所思 大聖之所行 未曾與汝異 何事不清淨」
其化女聞菴提遮説偈已。即沒不現。其女菴提遮。以心念誦偈言「我夫今何在 願出見勝尊 願知我心淨 速來得同聞」
爾時菴提遮。淨心力故。其夫隨念即至其所。是女菴提遮見其夫已。心生歡喜。
以偈歎曰「嗚呼大勝尊 今隨濟我願 不辭破小戒 恐當不同聞」
其夫見菴提遮説偈言已。即還以偈責曰「嗚呼汝大癡 不知善自宜 勞聖賜餘食 守戒竟何為」
時女菴提遮。即隨其夫往詣佛所。各自禮佛及諸大衆。恭敬而立。
時女菴提遮。以偈歎曰「我念大慈悲 救護十方尊 欲設祕密藏 賜我淨餘食 大聖甚難會 世心有所疑 誰可問法者 發衆菩提基」
爾時舍利弗。即白佛言。世尊。此是何女人。忽爾來至此。復説如是法偈言得餘食。佛告舍利弗言。此是長者女。復問曰。從何而來。
何因至此。佛告舍利弗。此女人不從遠來。只在此室。雖有父母眷屬。其夫不在。以自誡敬順夫因縁故。不從父母輕爾出遊現於大衆。
時舍利弗白佛言。是女以何善因故。生此長者家。其容若此。復以何因縁故。得如是士夫禁約。若此不能自由見佛及僧。佛即告舍利弗。
汝自問之。時舍利弗。問其女曰。汝以何因縁。生此長者家。復以何因縁。得如是人為夫禁戒。若此不能自由見佛及僧。其女菴提遮。
以偈答曰「我以不惡生 生此長者家 又不執女相 得是清淨夫 我在内室中 以為自在竟 是分未曾越 聖知賜我餘 嗚呼今大徳 
不知真實由 絲毫不負越 故名大自在 我雖内室中 尊如目前現 仁稱阿羅漢 常隨不能見 大聖非是色 亦不離色身 聲聞見波旬 
謂是大力人 嗚呼今大徳 隨聖少方便 不知本元由 於我生倒見」爾時舍利弗。默然而止。私自念言。此是何女人。其辯若此。我所不及。
佛即知其意。而告之曰。勿退於問答生於異心。是女人已經■(ニンベンに査みたいな)無量諸佛所説。是法藥勿疑之也。

90 :天之御名無主:2006/11/04(土) 23:52:19
爾時文殊師利。問菴提遮曰。汝今知生死義耶。答曰。
以佛力故知。又問曰。若知者生以何為義。答曰。生以不生生為義。
又問曰。云何不生生為義耶。答曰。若能明知。地水火風四縁。畢竟未曾自得。
有所和合。而能隨其所宜。有所説者。以為生義。又問曰。
若知。地水火風。畢竟不自得。有所和合為生義者。即應無有生相。將何為義。
答曰。雖在生處而無生者。是為正生。故説有義。
文殊又問曰。死以何為義耶。答曰。死以不死死為義。
又問曰。云何以不死死為死義耶。答曰。若能明知。地水火風。畢竟不自得有所散。
而能隨其所宜。有所説者。是為死義。又問曰。若知地水火風。畢竟不自得散者。
即無死相。將何為義。答曰。雖在死處其心不亡者。是為正死。故説有義。文殊師利又問曰。
常以何為義。答曰。若能明知。諸法畢竟生滅變易。無定如幻相。而能隨其所宜。有所説者。是為常義。
又問。若知。諸法畢竟生滅。無定如幻相者。即是無常義。云何將為常義耶。答曰。諸法生而不自得生。滅而不自得滅。
乃至變易亦復如是。以不自得故。説為常義。又問曰。無常以何為義。答曰。若知。諸法畢竟不生不滅。隨如是相。
而能隨其所宜。有所説者。是為無常義。又問曰。若知。諸法畢竟不生不滅者。即是常義。云何説為無常義耶。
答曰。但以諸法自在變易無定相。不自得隨。如是知者。故説有無常義耶。又問曰。空以何為義。
答曰。若能知。諸法相未曾自空不壞今有。而能不空空。不有有者故説有空義。又問曰。若不空空。不有有者。

91 :天之御名無主:2006/11/04(土) 23:54:01
即無有事。將何為空義耶。其女菴提遮。
則以偈答曰「嗚呼真大徳 不知真空義 色無有自相 豈非如空也 空若自有空 則不能容色 空不自空故 衆色從是生」
爾時文殊師利又問曰。頗有明知生而不生相。為生所留者不。答曰有。雖自明見其力未充。而為生所留者是也。
又問頗有無知不識生性。而畢竟不為生所留者不。答曰無。所以者何。若不見生性。雖因調伏少得安處。其不安之相常為對治。
若能見生性者。雖在不安處。而吉相常為現前。若不如是知者。雖有種種勝辯談説甚深典籍。而即是生滅心。説彼實相密要之言。
如盲辯色。因他語故。説得青黄赤白黒。而不能自見色之正相。今不能見諸法者。亦復如是。但今為生。所生為死。所死者於其人。
即無生死之義耶。若為常無常所繋者。亦復如是。當知大徳。空者亦不自得空。故説有空義耶。爾時佛告文殊師利。
如是如是。如菴提遮所説。真實無異。日可令冷。月可令熱。是菴提遮所説。不可移易。時舍利弗。
復問其女曰。汝之智慧辯才若此。佛所稱歎。我等聲聞之所不及。云何不能離是女身色相。
其女答曰。我欲問大徳。即隨意答我。大徳。今現是男不。舍利弗言。我雖色是男。而心非男也。其女言。
大徳。我亦如是。如大徳所言。雖在女相。其心即非女也。舍利弗言。汝今現為夫所拘執。何能如此。其女答曰。
大徳。能自信己之所言不。舍利弗言。我之自言。云何不自信。其女答曰。若自信者。大徳。前言説我色是男而心非男者。
即心與色有所二用也。若大徳自信此言者。於我所不生有夫之惡見。大徳自男。故生我女相。以我女色故。壞大徳心也。而自男見彼女者。
則不能於法生實信也。舍利弗言。我於汝所。不敢生於惡見。其女答曰。但以對世尊故。不敢是實言也。若實不生惡見者。
云何説我言汝今現為夫所拘執耶。是言從何而來。
舍利弗言。我以久離習故。有此之言非實心也。

92 :天之御名無主:2006/11/04(土) 23:56:20
其女問曰。大徳。我今問者隨意答我。大徳既言久離男女相者。
大徳。色久離心久離。時舍利弗。默然不答。
爾時菴提遮以偈頌曰「若心得久離 畢竟不生見 誰為作女人 於色起不淨 若論色久離
法本不自有 畢竟不曾汚 將何為作惡 嗚呼今大徳 徒學不能知 自男生我女 豈非妄想非 悔過於大衆 於法勿生疑 我上所言説
是佛神力持」時菴提遮説是偈已。其比丘比丘尼。優婆塞優婆夷。天及人一千餘人。得阿耨多羅三藐三菩提心。
有五千衆。於中得無生法忍者。得法眼者。又得心解脱者。
其無量聲聞衆。而於佛法自生慚恥者無量爾時佛告舍利弗。
是女人非是凡也。已■(ニンベンに査みたいな)無量諸佛。常能説如是師子吼了義經。
利益無量衆生。我亦自與是女人同事無量諸佛已。
是女人不久當成正覺。是諸衆中。於是女人所説法要。即能生實信者。皆已久聞是女人所説法故。
今則能生正信。是故應當諦受是師子吼了義經勿疑。
佛告阿難言。汝當受持此長者女菴提遮。以師子吼了義問答經章句。
次第付囑於汝。汝當諦受。阿難白佛言。唯然世尊。今悉受已。
爾時大衆聞女菴提遮説法已。心大歡喜。踊悦無量。
各自如説修行佛説長者女菴提遮師子吼了義經



93 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:35:11
    ◆口語訳◆

佛説長者女菴提遮師子吼了義經
漢譯した人の名は記録されていない。今のところ梁代に譯されたものとして、書き留めておく。

私は次の様に聞いた。
佛は北東印度の舍衛國は祇樹給孤獨園に、数え切れないほどの出家男女、在家仏教者男女、そして菩薩位の宗教者と共に留まっていた。
シュラーヴァスティー(マヘート)の西二十餘里に長提村があり、婆私膩迦という婆羅門が住んでいた。
博く学問し、深く敬虔に仏教を信じていた。婆羅門は大規模な法会を催そうと考え、佛と僧のもとへ行き、来てくれるようにと願った。
佛は承知した。婆羅門は家に還った。時が来て、佛と眷属は村に向かい、婆羅門の屋敷に着いた。
長者は佛に会い、欣喜し雀躍することを自制できなかった。すぐさま諸眷属を率いて佛のもとに集まり、それぞれ佛に恭しく拝礼した。
婆羅門には菴提遮という名の長女がいた。既に嫁ぎ正妻となっていたが、暫くして夫と別居して実家に戻り、父母の世話をしていた。
容貌は端正で自制心が甚だ強く、気遣いも出来て腰が低かった。度量が大きく(もしくは巨乳で)夫婦仲も良かった。
親戚の面倒をよく見て、夫に仕える様は、まるで煉獄にあるように抜群に従順で、同じくする者を見たことがない。
彼女の父母や眷屬は全員、出てきて佛に対面したが、彼女だけは部屋に籠もりきりだった。
彼女は何時の間にか出現したのであって、両親ですら実は覚えがなかった。このため菴提遮と名づけていた。
すぐに佛は、長者に娘がいて部屋に閉じこもり出てこないことを知り、理由も悟った。彼女が出てくれば、人々の救済に資すると考えた。

94 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:35:43
佛は長者に言った。「お前の眷屬は総て出てきたか」。
婆羅門は佛の前に跪き、娘が出てきてないことを恥じて説明しようとしたが、言い出せないでいた。
佛は意中を察し、話題を変えて言った。「よい時間だ。準備した場所に行って法会を始めよう」。
婆羅門は佛の説教を聞いて、饗応した。皆は食事を終えたが、件の娘だけは何も口にしていなかった。
佛は一人の女性を出現させて、鉢に残した食事を菴提遮のもとへ持って行かせた。出現した女性は、偈を歌って言った。
「此れは如來が残した食事です。この上なく貴い人が賜ったものです。私は佛に言われて来ました。
どうか、慈しみの心をもって、清浄な気持ちで受け取ってください」。菴提遮は即座に偈を歌い、嘆いて言った。
「あぁ、佛は私が部屋に閉じこもっていると知ってはいるが、その本当の理由が解っていないのではないか。
食事を与えてくれたので、会って私のことを如何ように考えているか訊いてみたいものだ」。
また続いて偈を歌い女性に答えた。「私は思念を廻らせる。大聖は行きたい所に移動する。両者は同じことをしている。
清浄な気持ちになれと言う以上、私を清浄ではないと決め付けていることになる。なぜ私が清浄でないと言い切るのか」。
言われた女性は掻き消えた。 菴提遮は念力を込めて偈を歌った。「私の夫よ、いま何処にいるのか。どうか此処に来て、
一緒に佛に会いましょう。会って私の心が清浄であることを認めさせたいのです。さあ早く此処に来て、一緒に佛に会いに行きましょう」。
菴提遮の清らかな心の力で思いが通じ、夫は遣って来た。菴提遮は夫が来たことを喜び、偈を歌った。

95 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:38:01
「あぁ佛よ、有り難うございます。私は自分の心が清浄であることを証明したくて溜まらなくなり、
異性である佛に独りで会いに行き兼ねませんでした。
夫に私の思いを通じさせ、そのような淫らな行為をさせないよう救ってくださいました。
これで夫同伴で異性である佛や僧侶のもとに行けます」。
夫は菴提遮の偈を聞いて、偈を歌って窘めた。「あぁ戒律とは其の本旨を遵守すべきものであって、
言葉面を厳守しても却って戒律を破ることもあるのだ。
善なる存在は劣情など起こさないのだから、元々清浄であって、会いに行っても戒律を破ることにはならない。
君は異性に人妻が一人で会いに行ってはならないとの戒律を守り部屋に閉じこもり法会に参加しなかった。
このため佛に労をとらせ、食事を持ってこさせた。戒律を守ろうとしてのことではあるが、
佛に労をとらせるような、大それたことをしてしまったのだよ」。
すぐさま菴提遮は夫を先に立て、佛のもとに向かった。それぞれ佛と其の眷属に恭しく礼拝した。
菴提遮は偈を歌って嘆いて見せた。
「十方の佛格が悟りを開くため救い護り神秘の真理を設定しようとして、
佛が私に残した食事を与えてくださったと思っています。
しかし偉大な聖人は滅多に出現するものではありません。
俗なる私には佛に対する疑いが残っています。誰が真理の法則に就いて受け答えできるでしょうか、
誰が人々に真理に向かう心の種を植え付ける者でしょうか」。

96 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:40:13
舍利弗は佛に尋ねた。「世尊よ、此の女性は一体、何者なのか。閉じこもっていたのに、忽ち此処に来た。
また、このような法偈を歌い、あまつさえ勿体なくも佛の食べ残しを得たと言っている」。
佛は舍利弗に言った。「何者ってたって、長者の娘ぢゃん」。
舎利弗は再び尋ねた。「この女性は一体、何処から来たのか。何故して此のように悟りを開いているのか」。
佛は舍利弗に言った。「何処からってったって、この女性は別に遠くから来たわけぢゃないよ。
部屋にいただけのことだ。其の理由は単に、父母や眷属はいるが、
自分の夫同伴でないと異性である君たちに会うことが憚られたからだな。
だから両親の言うことを聴かなかった。軽々しく君たちに会いに来ようとしなかっただけのことだ」。
舍利弗は佛に尋ねた。「此の女性は、如何ような善きことをした故に長者の家に生まれ、此のように美貌なのか。
また、如何ような理由で、此のような立派な男と巡り会い正妻となって、全く浮気心を起こさず、夫が不在の時には、
俗心を離れ劣情など催さない佛や僧侶にすら会おうとせぬほど自律できるのか」。
佛は舍利弗に言った。「お前なぁ、わしに訊くんじゃないよ。自分で彼女に訊きゃぁいいだろ」。

97 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:40:56
舍利弗は菴提遮に尋ねた。「貴女は如何ような因縁で長者の家に生れたのか。
また何故に此のような立派な漢をモノにして、しかも浮気心を全く起こさず、俗世を離れた私たち仏教者にさえ、
夫不在の折りには会わないほど自律し自戒できるのか」。
菴提遮は偈を歌い、答えとした。「私は貧しい家に生まれなかったから、この長者の家に生まれたの。
女であるという状態に偏執しないから、清淨な夫を射止めることが出来た。私は自分の部屋を夢幻の……無限の宇宙と考えた。
だから出なくても何の不自由もなかった。それを解っていて佛は私に食べ残しを与えた。
あぁ、でも大徳は、真実の理由が解っちゃいない。私は自分の部屋を境界としてたけれども、
大徳は境界というものを全く自ら設定せず、何者にも束縛されない自由な精神をもっている。
だからこそ、大自在と呼ばれているのよね。私は肉体こそ部屋の中に閉じこもっていたけれども、
思念は自由に廻らせていたから、佛を目の当たりにしていると同じ状態にあった。阿羅漢って言ぅの? 
常に目では見えない概念に隨っている。大聖の存在意義は、形ぢゃないわ。其の唱える理念よ。
でも形もあるから、人に見られる実体を持っていて、その状態を離れることは出来ない。
形のない声を聞いて其の形を見ることを、偉大な力を持った人と謂う。あぁ、大徳よ、拙い方便を貴く考え、
私の心の真実を知らずに却って逆の者として私を認識している」。
舍利弗は默然として言い淀み、心の中で呟いた。「何て女だ。こんなこと言ってからに。私は到底、及ばない」。

98 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:42:37
即座に佛は舎利弗の意中を察して言った。「お前なぁ、舍利弗、一方的に議論を止めて、別の事を考えちゃだめじゃん。
彼女の言葉は、既に他の如何な説教よりも価値がある。仏教として、これ以上のものはないな。本当だよ」。


99 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:43:33
文殊師利が菴提遮に尋ねた。「お前は、生死の意味を知ってるか?」。
菴提遮は答えた。「佛の力を使って知る」。文殊師利が再び尋ねる。「知ってるなら、生の意味を言ってみよ」。
答えて、「生とは、生きていないけれども生きているってこと」。文殊師利は尋ねる。「それは、如何いうことか?」。
答えて、「突き詰めて考えると、人間をも構成する物理的物質及びその現象、地水火風の四大元素は結局、
始源から勝手に絶対として存在してるわけぢゃないけど、それ其の者としても相互にも円満に組み合わさって、
時と場合に応じて、色んなモノを形づくるわ。だからこそ、生の意味なのよ」。
文殊師利は尋ねた。「地水火風を突き詰めると始源から絶対として勝手に存在していたわけではなく、
それ其の者としても相互にも円満に組み合わさっていることを、貴女は生の意味だと言うが、
和合・結合を固定された状態と考えれば即ち、生の状態ではないってことになるのではないか 
生とは逆に、流動している状態であるが。それでいて生の意味があるというのは如何なのだ」。
菴提遮は答えた。「生きている状態にあって生がなければ、言い換えれば、生命が維持されていて、
流動していないで固定された瞬間にあれば、正しく生としなければならない。だから、生の意味ってことになるわ」。
文殊は尋ねた。「では、死の意味とは」。答えて、「死は、死んでない死のことよ」。
文殊は尋ねた。「それは、如何いうことか」。答えて、「突き詰めて考えると、地水火風は結局、始源から絶対として
勝手に存在してるんぢゃないけれど、それ其の者としても相互にも分解するでしょ。時と場合によって。
だから此のことを、死の意味だと言うのよ」。

100 :天之御名無主:2006/11/05(日) 00:44:12
文殊は尋ねた。「地水火風が始源から絶対として自ずから存在しておらず、
其れ其の者としても相互にも分解してるならば、それは固定された状態ではなく流動している状態だから、それこそ死んでないことになるな。如何なることか」。
答えて、「死んでいる状態にあっても其の人の心が亡んでない生きた状態であるとすれば、これは正しく死んでるってこと」。
文殊師利は尋ねた。「では、常(永遠不変)とは如何なることか」。答えて、「突き詰めて考えると、法則といぅものは結局、出来たり無くなったり、幻のようなもの。此を常っていぅのよ」。
文殊は尋ねた。「それは常時移り変わるってことではないか」。
答えて、「諸々の法則に於いて、生っていぅものが始源から絶対として自ら存在するものでないならば、滅だって同じ。
また、移り変わることも、同じ。だから、此の、始源から絶対として自ずから存在していないって法則そのものを、常だって言ったのよ」。
文殊は尋ねた。 「では無常とは何か」。答えて、「考えてみれば、法則って結局、生じたり無くなったりするものではないのよ。
法則の核心たる真理は厳然として始源から存在している。そして、無常たるべきことこそ、其の法則。
だから、なるものこそ、常に移り変わるって法則」。文殊は尋ねた。「それは永久不変ということか如何か」。
答えて、「だから、法則っていぅものは表現の仕方で自由に形を変えて固定できない。これが、無常の正体よ」。

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